医順天堂大学医学部入試対策予備校

JUNTENDO MEDICAL / ANIMAL WELFARE

順天堂大学医学部と動物への配慮
犬・猫・サル・ブタは、飼養されていない

動物のことが気になって医学部選びに迷う人へ。順天堂大学の公表と、全国の医学部の公開資料をまとめました。

順天堂大学医学部入試対策予備校 > 動物への配慮

順天堂大学の公表

順天堂大学は、「動物実験に関する自己点検・評価報告書」(2025年度)で、次のように公表しています。

「なお、順天堂大学においては、実験用イヌ、ネコ、サル及びブタは、飼養されていない。また、ウサギは、2024 年度より飼養を中止し、2025 年 3 月ウサギ飼育室は、マウス飼育室に改修された。」

出典:順天堂大学 動物実験に関する自己点検・評価報告書(2025年度)/順天堂大学 動物実験の情報公開

順天堂大学でも、医学の研究のためにマウスやラットなどを使った動物実験は行われています。そのうえで、犬・猫・サル・ブタを飼養していないことを、報告書の中ではっきり外に向けて書いている大学は、全国の医学部の中でも多くありません。ウサギの飼育もやめ、その部屋をマウス用に改修したことまで書いています。

当塾は、動物への配慮をはっきり示している医学部を応援しています。動物のことを大切に思いながら医師を目指す人に、順天堂は自信を持っておすすめできる大学の一つです。下に、全国の医学部の公開資料をもとにしたランキングを載せました。

この記事は、各大学が公開している「動物実験に関する自己点検・評価報告書」「現況調査票」などをもとに、2026年10月にまとめたものです。数字は大学ごとに数え方が違い(1年間に使った数、ある日に飼っていた数、など)、獣医学部や農学部を含む全学の数字もあります。最新の内容は、各大学の公開資料でご確認ください。

医学部と動物実験 ── 知っておいてほしいこと

医学部では、薬や治療法の研究のために、マウスやラットを中心に動物実験が行われています。日本の医学部で、動物実験をまったく行っていない大学は、今回の調べでは見つかりませんでした。

そのうえで、大学ごとに大きな違いがあります。犬・猫・サル・ブタといった大きな動物を使うかどうか。使った動物の数を、外に向けて正直に公開しているかどうか。苦痛を減らす工夫を、具体的に示しているかどうか。

日本では、動物実験を行う施設に、国への登録や国の立ち入り検査の仕組みがありません。守られているかどうかは、大学自身の点検に任されています。だからこそ、どれだけ公開しているかが、その大学の姿勢を知るいちばんの手がかりになります。

考え方の基本「3R」

日本の動物愛護管理法にも、この考え方が書かれています。ただし、どこまで実行するかは、大学によって差があります。

評価したい取り組み ── 北里大学獣医学部

北里大学獣医学部は、2021年に「実習で生体を使う場合の考え方」を公表しました。動物を使わない方法をまず考えること、使う数を減らすこと、苦痛を減らすことを原則にし、実習のない時間を「動物の休息時間」と位置づけています。

さらに、2018年前期には犬の外科実習を廃止し、解剖のように死体で代わりにできる実習では、生きた動物をなるべく使わない方針をとっています。そして、実験や実習に使われた犬・猫を、希望する学生に譲渡する制度をつくりました。2018年度の自己点検・評価報告書にこの制度が書かれ、ビーグル犬1匹が、実際に学生の家族として迎えられています。

「この子は、いつか誰かの家族になるかもしれない」。そう思って向き合うことで、動物の扱い方そのものが変わっていきます。小さな一歩に見えて、とても大きな意味のある取り組みだと考えています。

医学部でも、自治医科大学が2024年度に、実験に使った猫1匹を譲渡し、その後の様子を見守っていることを公開しています。

海外では、どうなっているか

アメリカ・カナダ:医学生の実習で、生きた動物を使わない

アメリカとカナダでは、医学生の教育で生きた動物を使う大学が、年々なくなっていきました。2016年5月にジョンズ・ホプキンス大学が、生きたブタを使う実習をやめ、残る1校だったテネシー大学チャタヌーガ校も同じ年にやめたと報じられています。代わりに使われているのは、人の体を再現したシミュレーター、バーチャルリアリティ、そして手術や処置の映像です。

外傷の救命講習(ATLS):シミュレーターへの置きかえ

外傷の救命処置を学ぶ国際的な講習(ATLS)では、以前は生きた動物で処置の練習をしていました。今は、人の胸やおなかを再現した「TraumaMan」などのシミュレーターに置きかえる国が増え、2012〜2017年に回答のあった56の講習のうち、75%が動物を使わない方法だけで行っていると報告されています。

授業で使われる代わりの方法

カナダの動物実験の指針をつくる機関(CCAC)は、教育で使える代わりの方法として、映像・動画、模型・マネキン・シミュレーター、コンピュータのシミュレーション、適切に入手した動物の遺体、学生どうしの体を使う実習、細胞を使う実験などを挙げています。

アメリカの国の動き(2025年)

アメリカ食品医薬品局(FDA)は2025年4月、薬の安全性を調べる試験で、動物実験を段階的に減らしていく計画を発表しました。人の細胞でつくる「臓器チップ」や、AIを使ったコンピュータの予測などを使い、動物実験を「例外」にしていくことを目指しています。同じ月に、アメリカ国立衛生研究所(NIH)も、動物を使わない研究方法を広げるための新しい部署をつくると発表しました。

ヨーロッパ・イギリス

EUの動物実験の指令(2010/63/EU)は、最終的な目標を「研究での動物の使用を、完全に置きかえること」としています。イギリスでは2004年に、3Rを進めるための国の専門機関(NC3Rs)がつくられ、代わりの方法の研究に資金を出しています。

犬・猫・サル・ブタを使っていないと公開している医学部

今回の調べで、公開資料から犬・猫・サル・ブタのいずれも、使っていない(または飼っていない)ことが確認できた医学部です。

また、奈良県立医科大学は犬・サル・ブタが0頭です(猫は公開の様式に項目がありません)。どの大学も、マウスやラットを使った研究は行っています。

医学部の動物実験 公開度・配慮ランキング

公開資料で、犬・猫・サル・ブタの数を確かめられた大学を、100点満点で並べました。

順位大学犬猫サルブタ点数出典
1順天堂大学犬・猫・サル・ブタ 0自己点検報告書に「飼養していない」と明記・2025年度◎ ウサギの飼育をやめ、部屋をマウス用に改修(2024年度)000076資料
2佐賀大学犬・猫・サル・ブタ 0延べ飼育数・全学・2024年度000075資料
2自治医科大学1日平均の飼養数・単科・2024年度◎ 苦痛の程度で計画を分類して公開。実験に使った猫1匹を譲渡0202775資料
4産業医科大学犬・猫・サル・ブタ 0使用数・単科・2021年度000071資料
5奈良県立医科大学使用数・単科・2025年度0不明0065資料
6三重大学使用数・全学(生物資源学部を含む)・2024年度100063資料
6岐阜大学使用数・共通施設のみ・2024年度000263資料
6東邦大学使用数・全学・2025年度◎ 犬の使用が8頭→7頭→4頭と3年続けて減少400063資料
9関西医科大学使用数・単科・2025年度0015062資料
10名古屋市立大学使用数・全学・2024年度0012058資料
10金沢大学使用数・全学・2025年度◎ 苦痛の程度ごとの実験件数を公開100958資料
12宮崎大学年度末の飼養数・全学(獣医・農学部を含む)・2024年度13004953資料
12鳥取大学使用数・全学(犬はすべて獣医学のある鳥取キャンパス)・2024年度41100053資料
14大阪大学年度末の飼養数・全学・2025年度0047352資料
14長崎大学年度末の飼養数・全学・2023年度0031052資料
16千葉大学年度末の飼養数・全学・令和5年度0不明不明050資料
16東北大学飼養数・全学(頭数は読み取れず)・2024年度◎ 苦痛の大きい計画は申請者を呼んで聞き取り審査ありありありあり50資料
18久留米大学入手数・全学・2024年度700あり49資料
18京都府立医科大学使用数・単科・2023年度1不明0049資料
20鹿児島大学年度末の飼養数・全学(獣医学部を含む)・2025年度00602145資料
21北海道大学使用数・全学(獣医学部を含む)・2021年度100310440資料
21名古屋大学延べ飼養数(匹×日)・医学部の分・2024年度あり0ありあり40資料
21旭川医科大学使用数・単科・2025年度◎ 犬の飼育施設「Dog Farm」を2025年9月に閉鎖不明3不明840資料
21東京大学使用数・全学・令和5年度120661840資料
25獨協医科大学1日平均の飼養数・単科・2022年度◎ サルの飼養が2022年度に0に4.5不明02.136資料
26北里大学使用数・医学部・2020年度◎ ブタは2018年度から0。獣医学部は犬の外科実習を廃止し、譲渡制度あり17不明不明035資料
27京都大学全学(霊長類研究の施設を含む)・2023年度5不明1326531資料
28慶應義塾大学飼養数・慶應義塾全体・2022年度0不明10830資料
29東京女子医科大学飼育している種の一覧(頭数なし)・2024年度あり不明不明あり15資料

※数字は大学ごとに数え方が違うため、数どうしを単純に比べることはできません。獣医学部・農学部をもつ大学は、その分の動物も含まれています(鳥取大学の犬は、すべて獣医学のある鳥取キャンパスの分です)。研究の規模が大きい大学ほど、数は多くなります。順位は「公開と配慮の姿勢」を見るためのもので、大学の価値や教育の質を決めるものではありません。

今回は確認できなかった大学

次の大学は、今回の調べでは、犬・猫・サル・ブタの数を確認できませんでした。わかりしだい、この記事を更新します。

北海道・東北:札幌医科大学、弘前大学、東北医科薬科大学、岩手医科大学、秋田大学、山形大学、福島県立医科大学

関東:筑波大学、群馬大学、東京科学大学、横浜市立大学、防衛医科大学校、埼玉医科大学、国際医療福祉大学、杏林大学、昭和医科大学、帝京大学、東京医科大学、東京慈恵会医科大学、日本大学、日本医科大学、聖マリアンナ医科大学、東海大学

中部:山梨大学、信州大学、新潟大学、富山大学、福井大学、浜松医科大学、金沢医科大学、愛知医科大学、藤田医科大学

近畿:滋賀医科大学、大阪公立大学、神戸大学、和歌山県立医科大学、大阪医科薬科大学、近畿大学、兵庫医科大学

中国・四国:島根大学、岡山大学、広島大学、山口大学、川崎医科大学、徳島大学、香川大学、愛媛大学、高知大学

九州・沖縄:九州大学、熊本大学、大分大学、琉球大学、福岡大学

受験生のみなさんへ

医学部でも、獣医学部でも、入学すれば動物の命と向き合う場面があります。そして、中で起きていることは、外からはほとんど見えません。獣医学部では、麻酔をせずに牛を処置していたことや、同じ犬に何日も続けて手術をしていたことが、内部告発や報道ではじめて明らかになった例があります。公表されないままのこともあると、知っておいてください。

それを知ったうえで、「それでも医師になりたい」と思えるなら、その気持ちは本物です。行く前に知って、自分で選ぶ。それが、人生を間違えないためにいちばん大切なことだと考えています。

動物のことが気になって医学部選びに迷う人は、少なくありません。気になる大学があれば、オープンキャンパスなどで「実習で生きた動物を使いますか」「使いたくない学生への配慮はありますか」と、聞いてみてください。きちんと答えてくれる大学は、それだけで誠実だと思います。

医学は、動物の命の上に積み重ねられてきました。その重さを知ったうえで、それでも「減らしていこう」とする人が医師になることに、大きな意味があります。面接や小論文で「医療と動物」について問われたときも、この記事の内容を、自分の言葉で話せるようにしておきましょう。

出典

あわせて、面接、小論文、参考資料・リンク集の記事もご覧ください。

順天堂大学医学部 対策ガイド

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